扇形の議場を俯瞰したイラスト。多くの席に朱が差し、一つの手が挙がっている

不信任決議とは

不信任決議は、議会の議決によって市長を失職させうる、地方自治法上ただひとつの議会の手段です。 可決には、議員数の3分の2以上が出席し、出席した議員の4分の3以上が同意することが必要です(地方自治法178条3項)。 条文の「その四分の三」の「その」は出席議員を指すため、同意割合の分母は議員定数ではなく出席者数です。

成立の要件

定数40の市議会を例にすると、次のようになります。

必要な出席者数27人以上(40 × 2/3 = 26.7 → 切り上げ)
全員(40人)が出席した場合に必要な同意30人以上(40 × 3/4 = 30)
最小の27人で開いた場合に必要な同意21人以上(27 × 3/4 = 20.25 → 切り上げ)

※ 上の数字は、178条3項の割合(出席=議員数の3分の2以上・同意=出席者の4分の3以上)を定数40に当てはめた計算です。定数が違えば数字も変わります。

可決されたあと何が起きるか

不信任が議決されると、議長から市長へ通知されます。 市長は、通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができます(178条1項)。

この期間内に解散しなかった場合、市長はその職を失います(178条2項)。 つまり可決後の市長には、「解散する」か「失職する」かの二つの道しかありません。

解散された場合

市長が議会を解散すると、市議会議員選挙が行われます(解散のしくみは「議会の解散とは」で解説しています)。

解散後初めて招集された議会で再び不信任が議決され、議長から通知があったときは、市長はその職を失います(178条2項)。 このときの要件は、出席は同じく議員数の3分の2以上ですが、同意は出席者の過半数で足ります(178条3項)。 1回目の「4分の3以上」より要件が緩くなるため、選挙を経てもなお議会の多数が不信任なら、市長は解散では逃れられない構造になっています。 定数40・全員出席なら、2回目に必要な同意は21人です(計算例)。

計算してみる

あなたの市の定数では何人になるか。トップページの計算ツールに定数を入れると、必要な出席者数と同意数がその場で計算できます。

出典